ヘッドホンアンプVersion 2.1
FETドライブE182CC全段作動プッシュプルヘッドホンアンプ

2003.12.24

Version 1.0 単段、一体型。トランスの誘導ノイズに苦しめられる
Version 1.1 電源部とアンプ部を分割。ノイズ問題解消だが……
Version 2.0 FETを追加し、2段増幅に。ひとまず完成
Version 2.1 出力トランスを豪華に換装


X68000XVIではない


 ある時、試しにベーシックアンプに、簡単な結線だけのアダプタを作ってヘッドホンをつないで聴いてみました。ヘッドホンアンプに比べると、高音の落ち着きと、低音のいい意味でのタイトさがあります。特に下に帯域が伸びてるように思います。気に入ったので、それ以来、スピーカーもヘッドホンもこれで聴いてます。発熱は冬だからいいし、線のつなぎ替えもまあいいんですが、実はハムノイズがあるのです。ヘッドホンはこれがあるから厳しい。そういう意味では、オレのヘッドホンアンプよくやってたんだなぁ。

 音質の差は、出力トランスの差が大きいと踏んでいます。まあ価格差「タンゴFE-25-8 9,680円:イチカワITPP-3W 1,800円」の割にはかなりいい感じではありますが。てことで、トランスをタンゴのFE-10-8(8,100円)に取り替えてみようかと思います。FE-10-8のサイズはW56×D50mmで、シャーシ幅13cmだから密着させれば収まります。奥行きはITTP-3W(55mm)より短いぐらい。

 6A3ができたら……(でないとトランスを買う金がない)。

(2003.12.01)

 のつもりが、今年の1月のようなオフ会を再び行うという話が出てきたので、急遽こちらを先行することになりました。参加するには他に新ネタがない……。ベーシックアンプで聴いていたヘッドホンも、結局ヘッドホンアンプに戻しています。ハムのストレスは意外と(当然?)大きいかも。

 てことでさっそく、ノグチトランスにFE-10-8を2個注文。在庫ありということであっという間に届きました。

高さは今のシャーシ+イチカワITPP-3Wよりもある

 予想どおり、サイズはぴったりです。ITPP-3Wを固定しているネジは、中でトランスとアンプ回路の中継をするラグの留め具にもなっているので、これはこのまま残します。このネジを通す足をのぞいたITTP-3Wの奥行きは、ITPP-3WとFE-10-8では後者のほうがわずかに短いぐらい。横幅は広くなりますが、密着させればシャーシ上に収まるのはわかっているし、ITTP-3W直出しケーブルの穴を隠せるのでかえって好都合。

奥行きほぼ同じ

 とりあえず、あと3cmの大穴を開けるためにシャーシパンチを買ってきたら(いずれにしても6A3アンプで必要)、作業量も少なそうだし、すぐ取りかかりますよ。

(2003.12.20)

 というわけで、12月23日の祝日を使って工作。まずは現行ITPP-3Wをはずします。トランスからケーブル直出しですが、B電源以外はいったんラグにつないで、そこから出力段やヘッドホン端子に向かっているので、それをはずすだけで影響は最小限です。

 そしていよいよ穴あけ。EF-10-8は端子が直径2.9cmの円柱の端子板に出てるので、3cmの大穴を開けなければいけません。いずれ6A3アンプでは3cmを7個ぐらい開けるので、この機会にシャーシパンチを買いました。これってじりじり回りながら切っていくのかなと思ったら、そうじゃなくて円の2か所の突起部分が食い込んでそのまま力押ししてしまうのね。サークルカッターではなく、ハンドニブラーの系統というか。まあいずれにしても、リーマーよりはよっぽど楽でした。手も痛くない。

 取り付けたら、あとはトランスの再結線です。ITPP-3Wと同じ……と思ったら、1次側P1とP2が逆のようです。元に戻した後、ヘッドホンがゼンハイザーHD 580で、これが公称インピーダンス300Ω。

 もともと出力トランスの2次側並列にインピーダンス調整用に27Ωを入れてあって、前のソニーMDR-F1(12Ω)であれば合成して8.3Ωとちょうど良かったけど、300Ωとの並列だと24.8Ω。実際これでずっと聴いていたんですが、この機会にHD 580に合わせることにしました。27Ωはそのままで、新たに15Ωを並列に追加しています。ヘッドホンを合わせた合成抵抗値は9.3Ωで、もともと1次側8KΩまたは10KΩで考えていたので、まったくオッケー。8Ωのスピーカーにつなぐと4.4Ωになっちゃうけど、まあいいかぁ。

狭い部屋には高層物体が合う

 作っていきなりですが、聴いてみると低音のどっしり感がやはりちょっとちがいますね。音のレポートは苦手なので具体的に書けないですが、やっぱりいいです。スピーカーでもベーシックアンプよりいいかも、とも思いますが、(利得ではなく)出力が厳しくて、この狭い部屋でぎりぎりなんとかという感じです(でもときどき使おう)。最後に一部スペックを並べてみましたが、いや、これでITPP-3Wいいトランスにはちがいないですよ!

 最大出力周波数帯域重さ価格
イチカワITPP-3W3W20〜30KHz(-3dB)790g1,900円(税込み)/イチカワ通販
タンゴFE-10-810W20〜60KHz(±1.0dB)400g8,100円/ノグチトランス通販

 では、安心して6A3アンプに取りかかりますか。まだ球しか買ってねーよ。

(2003.12.24)


 なんだかどうにも、スピーカーをNS-10MからNS-10MMに戻してしまいました。低音はないけど音質はこっちのが好きなんですねー解像度とか歯切れとかそういったのが。単に「小さいから」かもしれませんが。

 NS-10MMは、効率があまり良くないし6Ωでもあるので、トランスといっしょに付けたヘッドホン端子の15Ωをはずして、出力に対するロスを減らすことにしました(という言い方で合ってるのかな?)。ただでさえ最大出力も小さいし。

 のついでに内部を撮影→。タンゴのあのパネルがあるだけで、けっこうなアンプに見えるもんだなぁ。ヘッドホン端子の尻に付いてる2個の茶色い抵抗が15Ωですが、とりあえず再取り付けしやすいようにぶら下げたままです。

(2004.01.04)

Wonder-Ranch by itokei