yoshii9っぽい塩ビ管スピーカー

2009.11.11

●経緯

 今使っているテレビがシャープLC-26BD1というけっこう前のAQUOSで、だからというわけではまったくないんですが、テレビの音声を内蔵ではないアンプとスピーカーで鳴らしたいというのは前々からありました。ただ、テレビの前は物がごちゃごちゃ置いてあるし、左からWindows機ディスプレイ→テレビ→シネマディスプレイと45度ずつすき間なく置いてあって、どっちにしても場所がありません。

 というときに、どこかでタイムドメインの縦型の3万円ぐらいのスピーカーのレビュー記事を読んで、このスタイルなら面積という点ではあまりいらないな、ということに気づきました。もちろんyoshii9は買えないので(面積も食うし)、Jupity301Marty101でもと思ったんですが、内蔵アンプをバイパスして……など改造を加える前提と考えると、なんか3万も高いなあ(どこもディスカウントしていない)と思い、いつか読んだ塩ビ管のスピーカーを思い出して、自作を考えてみました。

 そうなると、すぐ見つかるのが集まれ塩ビ管スピーカーというサイト……こんなに作例があるのかー!……で、ここからyoshii9というキーワードで作例をいくつか見て、AVアンプ Panasonic XRシリーズ 感想サイトを参考にすることにしました。結局は似ても似つかないものになったのですが……。


●設計

 音響的なエンクロージャー設計みたいなことはまったくやっていません。いろいろ行き当たりばったりでした。

 塩ビ管はVU75という規格(外径89mm)で、長さは60cmとしました。これは、ホームセンターで285mmのM12のネジ棒があったので、yoshii9でいう仮想グランドのために1本+鉄アレイ(+余裕分)、という計算です。30cmをジョイントで継ぎ足して90cmすることも考えてはいました。

 実は、参考にした作例のページには塩ビ管の規格は書いていなくて、後々、掲示板かなんかを読んでみたら、VU75じゃなくてVP100(VPはVUより管壁が厚い)だったのでした。どうりでバッフル板と管の太さが同じなはずだ……。もうこの時点で、作例とはぜんぜん違います。この太さなら3kgの鉄アレイも使えるよなあ……(後述)。

 あとは免震ゲルのようなものでスピーカーを支えること、そのために簡単なバッフル板を作ること、足は塩ビ管の継ぎ手をのこぎりで切り抜いて作ればいいかなー、ターミナルはバナナのソケットをそこに組み込もう、この程度です。


●材料

 スピーカーユニットは参考作例と同じDIY AUDIO SA/F80AMG、ケーブルはベルデン 8470といっしょにコイズミ無線で注文しました。

バッフル板は、新宿の東急ハンズでMDF板を買って加工してもらいました。ドーナツ型にくりぬいてもらうのに、最初は外径100mm〜内径80mmで作ってもらったら……これ幅1cmしかねぇ。当然です。スピーカーを支えられればいいのでなんとかなるかなと思ったけど、結局120mm〜76mmで別に作ってもらいました。実際、最初のでは穴径が大きすぎてスピーカーユニットとの間にすき間ができてしまうので、結果的に正解でした。

 ついでに免震ゲルと接着剤も購入しました。免震ゲルは直径1cmぐらいのうどん状のがあって、よくいろいろな作例で紹介されてる物ではありますが、これを使うのはインクリーザー(径を変える継ぎ手)にバッフルをはめ込む場合で、単に乗っける場合はどうかなと思いつつ、一応、平板のものも買うことにしました。接着剤はセメダインのスーパーX、スピーカーユニットとナットなど金属には同じくハイスーパー30です。

東急ハンズでの買い物

 問題は塩ビ管と、吸音材のニードルフェルト。塩ビ管は、ホームセンターに行けばふつーにありますが、カットしてもらえるところでないといけない。ニードルフェルトはそもそもあんまり置いてない? 結局どちらも幸手のジョイフル本田でゲットしました。あそこは巨大すぎる。

スピーカーユニットDIY AUDIO SA/F80AMG
塩ビ管VU75 60cm
塩ビ管継ぎ手VU75-VU75
吸音材ニードルフェルト
バッフル板1.5mm厚MDF板、外径100m〜内径80cm、外径120cm〜内径76mm
免震ゲルゲル・OK・パッキン(東急ハンズ、直径約1cmのうどん状のもの)
スピーカー端子バナナソケット
ケーブルベルデン8470→太くて硬いためNS-10MMをオークション購入した際に付属の細いケーブルに変更
角材ヒノキ12mm × 12mm
L字アングル12mm幅、24mm + 24mm

●製作

 まず東急ハンズで作ってもらった細い方のバッフル板を、せっかくなので塩ビ管の上部に接着しました。塩ビ管の厚みは3mmぐらいしかないので、これで1cm幅を使えることになります。この上に、うどん状の免震ゲルを輪を描くように置いて接着します。断面が円で接触面積が小さいので、仮止めの後、すき間に充填するように接着剤を埋めました。スピーカーユニットとバッフルは、この上に乗せるだけです。接着などはしてません。

塩ビ管上部端の仕上げ

 塩ビ管の内側にはニードルフェルトを貼ります。貼るといっても、いったん収まってしまえば安定しそうだったので、上下端を両面テープで留めただけです。厚手のフェルトに両面テープも気休め程度ですが。

 スピーカーユニットには、裏にM12のナットをハイスーパー30(エポキシ系接着剤)で接着して、そこにネジ棒を接続し、その先に3kgの鉄アレイを……んあ、鉄アレイの太さがニードルフェルトを貼った内径いっぱいいっぱいだ。うーん……ネジ棒をもう1本継ぎ足し、そこにジョイントナットを何個か入れたらけっこうな重さになったので、これで行くことにしました。ナットは単体ではまったく固定されないので、必ず2個以上接触させて、それどうしを強く締めるようにします。

スピーカーユニット周辺(ケーブルは変更後)

仮想グランドと呼ばれる部分(ケーブルは変更前)

 足は、塩ビ管の継ぎ手の一方を3本足にくりぬいて……なんてやろうとしたら、そんなふうには糸ノコは入っていかないし、だいたいきれいに作る自身が皆無。方針変更で、同じ継ぎ手の内側に、木の角棒を3本接着して浮かせるようにしました。これなら細い角材を切るだけだから簡単。ただ、長さと重さの割りに足の幅が狭いので、後からL字アングルで少し外側に広げるようにしました。

足、およびポヨ

ローアングル

 スピーカーユニットのバッフル板への取り付け時に、もちろん下穴は開けてあったんですが、木ねじを締めるのに変な力を入れてしまい、ドライバーでエッジを突き破ってしまいました。買い直しです……。

ごめんなさい


●設置

 テレビの前を整理して、スピーカーとアンプを置けるようにして、スピーカーの下にはニードルフェルトを下敷きにして設置……超不安定。足場がニードルフェルトでふわっふわで、しかも背が高いから。

 試聴という意味で、テレビではなくプリアンプにつないでいつもどおり音楽を鳴らしてみると、ちょっと高音が伸びないなというのと、低音がボンつく(ブーミー)。高音については、スピーカーユニットが上を向いていて、しかも自分の頭の位置が30cmぐらい低いためと思い、ちょっと邪道かとも思いつつ、いらないCD-Rを斜めに反射板のように取り付けてみたら、いい感じになりました。ここで、上記のとおりスピーカーケーブルの付け替えや木の足へのL字アングルの取り付けなどをやって、ついでに下に敷いたニードルフェルトも取り去って机の上に直置きにしたら、かえってボンつく感じが低減されたかも。しばらく鳴らしていたことによる、いわゆるエージングのせいかもしれません。まあ、気が向いたらいろいろ調整してみましょう。

CD-Rによる反射板

 今まで、アンプ作り始めてからはずっと密閉だった(バスレフはごく短期間、タンノイのローエンドとNS-10MMTがあったぐらい)ので、なんというか、押しが強い感じがします。でもぱっと聴いた印象は、既存のものとは善し悪しの順列ではなく併存していけそうな感じはします。何より、テレビには合ってるように思います。

 まあ、もっと小口径で短くてもよかったのかな、とは、この写真見て思いました。

Wonder-Ranch by itokei